くりっく365と非くりっく365の違い

くりっく３６５のスワップ金利

くりっく３６５では、どのFX業者で取引をしたとしても、同じ通貨ならスワップ金利が同じで、しかも、買いも売りも同じ価格となっています。

これが非くりっく３６５になると、FX業者よってスワップ金利が異なり、買いや売りの価格も異なっています。


ただ、「異なる」というだけなので、「どちらが良い」というのは、一概には言えません。異なることによって得をすることもあれば、損をすることもありますからね。


また、くりっく３６５では、受取る場合のスワップ金利と、支払う場合のスワップ金利が同じであるのに対し、非くりっく３６５の場合には、受取る場合のスワップ金利よりも、支払う場合のスワップ金利の方が高くなっています。

くりっく３６５の取扱い通貨数

これがくりっく３６５の中で、一番イタいデメリットなのですが、くりっく３６５と非取引所 取引の取扱い通貨数を比較すると、かなり数が少なくなっています。

非くりっく３６５の場合は、多いところで４０種類以上の通貨を扱っていますが、くりっく３６５は、基本通貨と言われる「米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、スイスフラン、カナダドル、ニュージーランドドル」の７種類です。


また、通貨ペアも対円に限られていますので、“ユーロ/米ドル” といった外貨同士のペアで売買することはできません。

ですので、多くの通貨の取引をしたい方には、くりっく３６５は向いていません。


≪ くりっく３６５で取引できる通貨ペア一覧 ≫

・ アメリカドル − 日本円
・ ユーロ − 日本円
・ イギリスポンド − 日本円
・ オーストラリアドル − 日本円
・ スイスフラン − 日本円
・ カナダドル − 日本円
・ ニュージーランドドル − 日本円

信用リスク

くりっく３６５と非くりっく３６５とでは、預けた証拠金の管理方法がまったく違います。

くりっく３６５の場合は、どのFX会社から取引を行う時でも、預けた証拠金は取引所によって管理されます。ですので、もし利用していたFX会社が倒産しても、証拠金は全額保証されます。



ところが、非くりっく３６５の場合は、FX会社が各自で管理しますので、きちんと信用できる会社を選ばなければ、証拠金の悪用、倒産して証拠金が返ってこない、などのリスクにさらされる可能性があります。


ただ、非くりっく３６５でも、外部できちんと管理された信託保全を採用している会社が増えていますので、くりっく３６５以外のFX会社がすべて危険というわけではありません。念のため…(^^ゞ。

税金

くりっく３６５と非くりっく３６５では、税金のかかり方が違います。

・ くりっく３６５ ･･･申告分離課税
・ 非くりっく３６５ ･･･総合分離課税


くりっく３６５は、利益に対して一律２０％の税金がかけられますが、非くりっく３６５の場合は、金額に応じて０〜５０％まで変わります。

税率（所得税＋地方税） 概算表
課税所得金額	くりっく365（申告分離課税）	非くりっく365（総合課税）
195万円以下	一律20％	15％
〜330万円以下		20％
〜695万円以下		30％
〜900万円以下		33％
〜1800万円以下		43％
1800万円超		50％

つまり、儲けた金額が小さければ、支払う額が小さくなる非くりっく３６５の方が有利になりますが、逆に、儲けた金額が大きくなってくると、今度は、いくら儲けても税率が変わらないくりっく３６５の方が有利ということになります。


ただ、どちらを利用した場合でも、メリット･デメリットがありますので、ここでは、税金のかかり方が違う、ということを理解しましょう。

損益通算

くりっく３６５の損益は、日経２２５先物や商品先物といった別の取引所で行われている先物取引の損益と合わせることができます。

例えば、くりっく３６５では５０万円儲けたが、大豆の先物取引では５０万円損した…といった時に、２つの合計額に対して税金がかけられますので、この場合は、プラスマイナス０円となり、税金がかからなくなります。


ところが、非くりっく３６５の場合は、他の取引と損益が通算できませんので、もし、くりっく３６５以外に上場先物取引を行っている方は、節税対策に使えます。

損失の繰越控除

くりっく３６５で損失が出た場合、翌年から３年間は損金と同じ金額に達するまで税金がかからなくなります。

ですので、もし売買によるマイナスが生じた時も、くりっく３６５はタダでは起き上がらずに済みます(;^_^A。

なお、税金の仕組みがまったく違う 非くりっく３６５ の場合は、繰越控除がありませんので、損しても、その先税金が安くなることはありません。